元陸上選手でオリンピックにも出場した、為末大さんのトークを聞いたことありますか?
為末さんの話しはとにかく分かり易い。シンプルに伝わってくる、心に響いてくる。頭の中で考えていることを言葉にして、それを相手に分かり易い表現で伝える、為末さんの言語化能力が高いんですよね。
では、言語化する能力って生まれつきの才能なのでしょうか?
為末さんのインタビューで、
(参照:https://dot.asahi.com/aera/2020030400057.html?page=2)
子どものころから活字を読み、見知らぬ外国に冒険に行ったり、絶対にできない非日常を体験したり……言葉からイメージを膨らませるのが好きでしたね。
小さい時から活字が好きでコツコツ身につけて行ったようですね。
さらに、言語化する能力があるとこんなメリットがあると説明しています。
長く競技生活を続ける上で一番重要なのは、メンタルを平常に保つということ。イライラ、モヤモヤ、なぜかやる気が出ないというとき、その感情を整理して言語化すると、自分の心を客観視できます。そうやって自分の状況を冷静に判断できれば、心のバランスを保つことができますからね。
メンタルはスポーツ選手だけでなく、ビジネスパーソンにとっても大切なことですね。特にコロナ禍でストレスが溜まりやすい時代、自分の状態を客観的に見て、自分の感情に気づいてあげる、心の中にあるモヤモヤを言葉にして吐き出してあげる。そうするとなぜ自分がイライラしているか気づきます。自分の状態を知った上で、ストレスマネジメントの対策を考えることができます。
さらに、指導者としてのメリットについても説明しています
選手を指導するときにも、今、目の前で起きている状況、例えば「なぜうまく行かないのか?」などを言語化して頭の中で整理することは非常に重要です。そうすれば、冷静な判断もできますし、指導者がイライラして感情爆発するようなことを避けられるのではないでしょうか。
同感です。特に10代や20代のZ世代やミレニアル世代は”なぜ?”を求めている傾向がありますので、指導者の考えを言語化して分かりやすく伝える必要があります。だたこれをやってください、と言ってもも”はい!分かりました!”と良い返事が返ってくるだけで行動に繋がりません。”なぜそれをやるのか?”それがどうなるの?を言語化して伝えることで行動の促し効果があるように思います。
ビジネスにおいても言語化能力は大切なスキルで、様々なビジネスシーンで自分の意見を相手に分かり易く伝える、言語化能力は求められます。
言語化する力ってどうやって身につけるの?
為末さんが子供の頃から活字に慣れ親しんで来たように、毎日コツコツ訓練するのが近道だと思います。日記などで日頃から自分の考えや気持ちを言葉にする習慣をつけることをお勧めします。
中には、自分の考えや気持ちを言葉にするのは苦手な人もいます。
例えば、アプリの振り返りの質問ですが、
今日の1日を振り返って、
”目標に対して支障になっていることは何ですか?”
A: ”自信” ”自信がない”
実際のジュニア選手の回答です。自信の裏には何かが潜んでいて、心の中のモヤモヤを吐き出せていません。このような時は、少し掘り下げた質問を投げかけるようにしています。
どんな時に自信がないと感じましたか?
A: 練習中は振り切れるんだけど、試合になると自信がなくて振り切れない。
それを引き起こしているのは何だと思いますか?
A: 試合でミスするのが怖い ミスすると考え過ぎてしまう 振り切れない
その時にどんな気持ちになりましたか?
A: 。。。。。(言葉に詰まってますが、一生懸命に表現しようとしています)
一段掘り下げた問いをすることで、自分の状態を客観視して、マイナスの考えや感情を言葉にしようとします。最初は難しいかもしれませんが、毎日コツコツやれば誰にでも身につくスキルです。
私もライフスキルアプリを使って1日の振り返りをしながら、自分の気持ちを言語化する訓練をしています。1ヶ月書き続けていると、自分の言葉が溜まっていき、頭の中にある言葉がこんな風に可視化されます。ジョハリの窓で、自分の知らない窓を開くきっかけになるかもしれません。

感情と言葉が100%合致させるのは難しいですが、これも訓練。毎日コツコツやれば必ず成果が出ると自分に言い聞かせています。
現在と1年後の自分を比較するのが楽しみです!
(Gino CrescoliによるPixabayからの画像)
Comments