大学3年生向けキャリア授業でインドを題材にしたPBL(プロジェクト型学習)がスタートします。 本当は学生をインドに連れて行って現地で実施したいのですが、今はコロナでそれが叶いません。オンラインでどれだけインドを伝えられるか!私にとってもチャレンジです。
そもそも、なぜインドを題材にするのか?
理由は2つです、
インドは日本の重要なビジネスパートナーになる
今はまだインドは遠い国と感じる人が多いかも知れませんが、近い将来、日印間の距離は縮み、日系企業のインド進出、インド企業の日本進出、インド人観光客の増加など、ビジネスの交流もさらに増えていくことが予想されます。
もう一つの理由は成長です
インドはカオスでタフな国、人を成長させてくれる国です。私もインドに成長させてもらった1人であり、 学生たちにもインドを体験して新しい自分を見つけ成長して欲しい。その願いからです。
プロジェクト初日、
まず学生たちに質問しました。
”インドと聞いて何をイメージしますか?”
チャットで書き込んでもらうと、
これを見ると、やはりインドは皆にとって馴染みの低い国なんだな〜と改めて感じます。まあ、私も含め最初は多くの人はこんな感じだと思います。
次の質問を続けます
”インド人で知っている人は?”
”インドの会社をあげてください”
ガンジー、ハキム(インドからの留学生)......
チャットの書き込みが一気に減りました。これがアメリカだったらどんどん回答するでしょう。学生にとってインドはまだまだ遠い国なんですね。
話しは戻り、なぜインドか?
インドは日本の重要なビジネスパートナーになる
その理由はインドの経済力です。
以下は世界のGDP(国内総生産)ランキングのヒストリーと予測です。
1990年 アメリカが圧倒的な1位。日本はまだ世界第2位の経済力がありました。
中国は6位でしたが、1990年以降に凄い成長力で上がってきます。
2000年。中国が日本を抜き世界第2位になります。インドは世界5位まで上がって来ました。
2020年 インドは日本を追い越し、世界3位になります。
2040年にはインドは中国の半分のGDPに、そして2060年にはアメリカを抜いて世界2位の経済大国になると予測されています。
この数値は日本にとって何を意味するのか?
日本やインドの企業にとって何を意味するのか?
企業の事業にどんな影響を与えるのか?
仕事内容にどんな影響を与えるのか?
自分ごととして考えるよう促します。
もう一つの根拠として、2027年には
インドの人口は世界一になると言われています。
現在は世界人口約77億人のうち、中国が最も多く14億人、2位のインドは13億人。両国で全体の約37%を占めている。インドは2027年前後に中国を抜き、人口世界一となる見通し。(Source: United Nations)
さらに、インドの平均年齢は27歳(ちなみに日本は47歳)人口が世界一になり、総人口のうち約半数強が25歳の若者である豊富な労働力と購買力。世界経済を語るのになくてはならない国になります。
次に人材の視点でインドを見ます。
インドでは15の公用語が使われていて、一番使われている公用語はヒンディー語。英語を話すインド人は1億2900万人いると言われています。日本とほぼ同じ人口の人々が英語を話します。 この数は人口の10.6%ほどですが、それでもインドはアメリカに次いで世界で二番目に英語話者が多い国となっています。
その英語力にIT能力が加わります。
さらにプラス@で多様性対応能力が加わります。
多様性対応能力とは、
インドは公認されている言語だけでも21、宗教はヒンドゥー教、イスラム教、キリスト教、シク教、仏教、ジャイナ教など多宗教、多民族であるインド。異なる文化的背景を持つ世界を凝縮したような国です。そんな環境で鍛えられたインド人は多国籍企業でも活躍できる素質をもっており、マイクロソフトのナデラCEO、GOOGLEのピチャイCEOをはじめ世界的企業のトップにインド人が名を連ねています。
英語ができ、テクノロジーをビジネスに活用して、ダイバーシティーなチームをマネジメントできる人材がインドにはゴロゴロいます。 今はまだ日本に進出しているインド企業は少ないですが、 今後インドの経済力が高まり、日本に進出するインド企業、外資系企業や日系企業で上司がインド人になる機会も増えてくると思います。
今はまだ馴染みの低いインドかも知れませんが、今後10年、20年のスパンで考えるとインドは確実に日本にとって近い存在(距離的にではなく)になって行くと思います。
だからこそ、今だからこそ、インドを知る!体験する!これから社会に出る学生たちには、自分の将来を見据えてインドプロジェクトに取り組んで欲しいと思います。
プロジェクトの内容や学生の様子についてはこれから書いていこうと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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